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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻11号

1975年11月発行

文献概要

技術講座 生化学

クレアチニン

著者: 正路喜代美1

所属機関: 1東大病院中検

ページ範囲:P.53 - P.57

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 クレアチニンの前駆物質であるクレアチンが,肝臓において生合成される.アルギニンのグアニジン部分がグリシンに転移し,グリコチアミンとなり,メチオニンのメチル基によりメチル化されクレアチンとなる.生成されたクレアチンは血中を通って筋肉に運ばれる.筋肉細胞ではCPK存在化でクレアチンリン酸と平衡状態を保っている.筋肉収縮時にATPを生成するエネルギー源となる.一方クレアチンは非酵素的に脱水してクレアチニンとなる.この反応は非可逆的で,1日にクレアチンの約2%がクレアチニンに転化する.クレアチニンそのものの生体内での機能は不明である.
 しかしクレアチニンは,個々の筋肉量に応じて糸球体より自由に濾過される.その排泄量はかなり一定(±10%以内)である.クレアチン代謝の盛んな時は,どんどん糸球体より濾過されるので,血中ではあまり高値を示さず尿中に多くなる.クレアチニンは,尿細管で吸収も排泄もされないので,クレアチニンクリアランスを測定することにより糸球体の濾過率を知ることができる.腎疾患時,尿素は鋭敏に排泄障害を来すが,食餌などで生理的変動が大きい.クレアチニンは,腎不全がかなり進行した状態でなければ血中停滞しないが,生理的影響が少ないので日々の変動をみるのにも利用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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