文献詳細
文献概要
技術講座 生化学
クレアチニン
著者: 正路喜代美1
所属機関: 1東大病院中検
ページ範囲:P.53 - P.57
文献購入ページに移動 クレアチニンの前駆物質であるクレアチンが,肝臓において生合成される.アルギニンのグアニジン部分がグリシンに転移し,グリコチアミンとなり,メチオニンのメチル基によりメチル化されクレアチンとなる.生成されたクレアチンは血中を通って筋肉に運ばれる.筋肉細胞ではCPK存在化でクレアチンリン酸と平衡状態を保っている.筋肉収縮時にATPを生成するエネルギー源となる.一方クレアチンは非酵素的に脱水してクレアチニンとなる.この反応は非可逆的で,1日にクレアチンの約2%がクレアチニンに転化する.クレアチニンそのものの生体内での機能は不明である.
しかしクレアチニンは,個々の筋肉量に応じて糸球体より自由に濾過される.その排泄量はかなり一定(±10%以内)である.クレアチン代謝の盛んな時は,どんどん糸球体より濾過されるので,血中ではあまり高値を示さず尿中に多くなる.クレアチニンは,尿細管で吸収も排泄もされないので,クレアチニンクリアランスを測定することにより糸球体の濾過率を知ることができる.腎疾患時,尿素は鋭敏に排泄障害を来すが,食餌などで生理的変動が大きい.クレアチニンは,腎不全がかなり進行した状態でなければ血中停滞しないが,生理的影響が少ないので日々の変動をみるのにも利用されている.
しかしクレアチニンは,個々の筋肉量に応じて糸球体より自由に濾過される.その排泄量はかなり一定(±10%以内)である.クレアチン代謝の盛んな時は,どんどん糸球体より濾過されるので,血中ではあまり高値を示さず尿中に多くなる.クレアチニンは,尿細管で吸収も排泄もされないので,クレアチニンクリアランスを測定することにより糸球体の濾過率を知ることができる.腎疾患時,尿素は鋭敏に排泄障害を来すが,食餌などで生理的変動が大きい.クレアチニンは,腎不全がかなり進行した状態でなければ血中停滞しないが,生理的影響が少ないので日々の変動をみるのにも利用されている.
掲載誌情報