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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻11号

1975年11月発行

文献概要

技術講座 一般

ベンスジョーンズ・タンパク

著者: 大竹順子1

所属機関: 1順大病院中検

ページ範囲:P.75 - P.76

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 ベンスジョーンズ・タンパク(Bence-Jones protein;BJP)は1848年にHenry Bence Jonesにより報告された.その化学構造は免疫グロブリンを構成する1対のH鎖(heavy chains),1対のL鎖(light chains)のポリペプチド鎖のL鎖が遊離したものとされている.L鎖は更に免疫学的にκ(カッパー)型,λ(ラムダ)型に分けられる.骨髄腫ではどちらか一方だけが出現することが多く,ごくまれにκ型,λ型の両方が出現することがある.BJPは血清中に出現するが,L鎖は分子量22,000で2個のL鎖が重合した型で出現することが多く,分子量が約2〜4万と小さいために糸球体を通過して尿中に出現する.尿中BJPの検査はまず尿中にBJPが出ているかどうかをスルホサリチル酸法で行ってみる.もしこの方法で陰性(白濁しない)ならばBJPは陰性である.陽性となったら下記の方法を行ってみる.アルブミンより反応が遅く,やや白濁が遅れるので少し判定時間を延ばしたほうがよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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