文献詳細
文献概要
基礎から応用へ
酵素作用の阻害
著者: 降矢熒1 降矢震2
所属機関: 1東京女子医大生化学 2千葉大・検査部
ページ範囲:P.25 - P.28
文献購入ページに移動酵素作用では,このような現象を相競性阻害(competitive inhibition)という.酵素の同じ場所(手)に,基質(ハマグリ)と阻害物質(シオフキ)が競い合って結合しようとするからである.熊手を持っているか,素手かで相違はするがそれなりの能力(Km)は変わりはないが,シオフキをとろうとする力(Kl)に分散されて,その能力が下がったようにみえる(Km値の増加).海に入ったら魚がいて,これを取って食った連中が腹痛を起こして寝込んでしまった.その人数分だけ全体のとれ高は減るが,とっている各個の能力は変わらない(Km不変).このような形のは非相競性阻害と呼ばれる.
掲載誌情報