icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻4号

1975年04月発行

基礎から応用へ

相転移

著者: 戸川達男1

所属機関: 1東京医科歯科大医用器材研究所計測機器部門

ページ範囲:P.21 - P.24

文献概要

 相転移というと難しいことのように思われるかもしれないが,氷の融解や水の蒸発のような身近な現象である.相(phase)というのは,たとえば水について考えると,化学的には同一のH2Oという物質が,温度や圧力の異なる条件下で,氷,水,水蒸気のように物理的に異なる性質をとることを表す概念で,水の場合3つの相があるという(正確には氷には物理的性質の異なる7種くらいの相があることが知られている).
 温度や圧力が変化して,物質の性質すなわち相が変化するのが相転移である.相転移の条件は,物質に固有のものであり,純粋な物質の転移点,たとえば氷の融解点,その沸点などは物理量(この場合温度)の基準値として用いることができる.また逆に,成分が未知の試料の転移点を測定して,成分についての情報を得る方法もある.このように,物質の転移は検査にも深い関連がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら