検査と技術3巻4号

1975年04月発行

マスターしよう基本操作

水銀の取り扱い

著者： 松本佶也¹

所属機関： ¹東大病院中検

ページ範囲：P.49 - P.53

　蒸気や微粒子が人体を侵害する毒性を持つと言われるが，金属で流動性を持つなどの特性ゆえに，多量の水銀が臨床検査室でも使われている．多少にかかわらずにの水銀の検査室での取り扱いは，十分に留意されているだろうか．使用中飛び散った細粒は完全に回収されているだろうか．精製された水銀もある程度使えば血液，脂肪，試薬，塵芥などによって汚染される．
　この汚染された水銀の洗浄法としてLother Meyer法，Hamilton法やこれらの改良型の器具や装置もあるが，今回は筆者が日常行っている水銀の簡便な細粒回収法と汚染水銀の洗浄法を解説することとする．