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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻4号

1975年04月発行

技術講座 血清

CRP

著者: 上尾八郎1

所属機関: 1京大病院中検

ページ範囲:P.70 - P.73

文献概要

1.CRPとは
 CRPとはC反応性タンパク(C reactive protein)の略称である.1930年にTillettおよびFrancisが肺炎球菌の構成成分の研究中,その菌体成分中より Cpoly-saccharideを抽出し,これと反応して沈降物を生ずるタンパクを発見,C reactive proteinと名づけた.CRPのCとは,研究中3番目に発見したという意味で,アルファベットの第3番目の文字になぞらえてCと名づけられた.それゆえこのC多糖体は,肺炎球菌感染症患者血清との間に抗原抗体反応を起こすものと考えられ,もっぱら沈降反応が行われてきた.
 しかし,その後多くの研究者によってCRPは当初考えられていた肺炎球菌感染症患者血清中にみられる抗体ではなくて,一般に体内で活動性炎症を来している疾患——菌血症,化膿性炎症,リゥマチ熱などの溶連菌感染症,細菌性心内膜炎など,あるいは退行性病変(組織の破壊を来す疾患),心筋硬塞,各種臓器の悪性腫瘍などが進行しているごく初期に(12〜24時間のうちに)非特異的に患者血流中に出現し,C多糖体と反応して沈降物を生じ,正常人血清とは沈降物を生じないことが認められた.それゆえに,somatic polysaccharide,あるいはacute phase substanceなどとも呼ばれていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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