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基礎から応用へ
統計学的思考・2
著者: 土肥一郎1
所属機関: 1中央鉄道病院内科
ページ範囲:P.29 - P.30
文献購入ページに移動 1.χ2検定法(つづき)
前稿の終わりで,薬Kと薬Pとの有効率をχ2検定法で計算する式をあげたが,これを求めると,
χ2=80(23×31-19×7)2/42×38×30×50=11.2
となり,比較の相手の3.841よりも大きいことが示される.つまり,実際的な表現ではKのほうがPよりもよく効くとみてよいことになる.このような検定法がどのような原理に立っているかを一般式を用いて説明してみよう.前号表2の代わりに一般的な文字で代表させたものを表1とする.これからχ2を計算するには,
χ2=n(n11n22-n12n21)2/n1. n2. n. 1n. 2
を用いたわけであった.この式は本来は,K投与群とP投与群とで有効率に差がないと仮定した場合に求められる有効者,無効者の予測値を求め,実測値と予測値との差を2乗して符号をプラスにしたものをそれぞれの項(n11,n12,n21,n22)に対応する予測値で割ったものを全部加えたものであったのだが,それを式変形の計算を進めていくと,このような形にまとまったものなのである.
前稿の終わりで,薬Kと薬Pとの有効率をχ2検定法で計算する式をあげたが,これを求めると,
χ2=80(23×31-19×7)2/42×38×30×50=11.2
となり,比較の相手の3.841よりも大きいことが示される.つまり,実際的な表現ではKのほうがPよりもよく効くとみてよいことになる.このような検定法がどのような原理に立っているかを一般式を用いて説明してみよう.前号表2の代わりに一般的な文字で代表させたものを表1とする.これからχ2を計算するには,
χ2=n(n11n22-n12n21)2/n1. n2. n. 1n. 2
を用いたわけであった.この式は本来は,K投与群とP投与群とで有効率に差がないと仮定した場合に求められる有効者,無効者の予測値を求め,実測値と予測値との差を2乗して符号をプラスにしたものをそれぞれの項(n11,n12,n21,n22)に対応する予測値で割ったものを全部加えたものであったのだが,それを式変形の計算を進めていくと,このような形にまとまったものなのである.
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