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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻6号

1975年06月発行

文献概要

基礎から応用へ

寄生現象・2

著者: 大家裕1

所属機関: 1順大・寄生虫

ページ範囲:P.21 - P.24

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 寄生生物がその棲み家として選ぶ相手の生物は決してどんな生物でもよいというわけではなく,そこには長い進化の歴史によって関係づけられた宿主特異性というものがあることは既に述べた.また,寄生生物と宿主の間に寄生し寄生されるという関係が成り立つ第一の条件は,双方の生物が同一の生態系内に存在する生物種でなければならないことも既に理解したところである.そして,寄生虫が首尾よく宿主体内に入り込むことができたとしても,そこが宿主という別の生物の体内であるため,自由生活を営んでいる生物にとっては致命的となるような様々な障害が,寄生虫の生存に対する制約として存在していることは容易に考えられる.つまり,寄生虫とはこのような制約の中で生存する方法を身につけ得た生物種なのであり,このことを寄生虫の宿主に対する寄生適応と言っている.これからこの問題を見てゆくわけであるが,今回は,その際,ぜひとも知っておかねばならぬ免疫学的な知識について概説をしておきたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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