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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻9号

1975年09月発行

文献概要

基礎から応用へ

温度計の応答

著者: 戸川達男1

所属機関: 1東京医科歯科大・医用器材研究所

ページ範囲:P.17 - P.20

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 計量器を使って何かを測るには,速く正確に測ることが要求されるのが普通だが,腋窩に体温計を入れて検温を行うのは,約10分必要とされている.1分計というものもあるが,腋窩温が1分で測れるわけではなく,正確な検温には,やはり10分くらい必要である.しかし,3分くらいで出してしまった体温計の読みは何の意味もないと考えるのは誤っている.例えば,3分で体温計を見たら38℃あったとすれば,かなり熱があることは確かである.ただ,38.0℃が正確な腋窩温かどうか分からないわけで,正確には38.2℃かもしれない.
 このように,計量器でものを測る時に要する時間は,計量器そのものの性質のほか,測る対象の性質及び要求される読みの精度によって異なってくる.ここでは,温度計を例にとって,応答の速さという問題について考えてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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