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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻9号

1975年09月発行

技術講座 血清

ポール・バンネル反応

著者: 上尾八郎1

所属機関: 1京大病院中検

ページ範囲:P.62 - P.65

文献概要

原理
 伝染性単核症(感染性単核球症;infectious mononucleosis)についての血清学的診断法である.伝染性単核症は発熱,全身のリンパ節腫脹及びリンパ球(異型リンパ球も多い),単球の増加を3主徴とする疾患群で病原体としてウイルスが推定されている(リケッチア説もある).
 1932年,Paul及びBunnellは,上記患者の血清中に,ヒツジ赤血球を強く凝集する抗体の出現することを見いだし,ヒツジ赤血球に対する凝集価を測定することにより,伝染性単核症の補助診断として役立つことを提唱し,この検査法をPaul-Bunnell反応と名づけた.この反応の抗体は,上記病原体と直接関係のない種族の違うヒツジ血球を凝集するので,異好抗体(heterophile antibody)または異好凝集素(heterophile agglutinin)と呼ばれている.従って,本症において高力価の凝集反応が起こるのは,病原体とヒツジ赤血球が共通抗原性を有するためと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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