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技術講座 病理
細胞診検体の取り扱い方・3—消化器
著者: 渡部庸一1
所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部
ページ範囲:P.66 - P.68
文献購入ページに移動 消化器細胞診の検体は,他臓器のそれと比して非常に取り扱いにくい検体の一つである.消化器には,口腔,咽頭,食道,直腸など直接肉眼で観察でき,検体採取の容易な臓器もある.これらの細胞採取は,採取場所にスライドガラスと固定液を準備しておき,その場で採取者が塗抹,固定を行うことが多い.このような検体は婦人科や耳鼻科の検体取り扱いと同様にすればよい.しかし胃洗浄液,胆汁,膵液などの液体検体は,遠沈を必要とし,上部消化器(口腔,咽頭,食道)の細胞や粘液,消化(酵素)液,細菌,真菌,食物残渣その他の夾雑物が混入している検体のことが多い.従ってその取り扱い方いかんで標本の良・不良が決まり,不良標本は観察できにくいばかりでなく,誤診の原因ともなる場合がある.部位によっては,再度採取不能の場合もあるので注意して取り扱わねばならない.
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