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臨床検査に必要な統計処理法・25
異常値の統計学的処理法—原因を追求することの重要性
著者: 細萱茂実1
所属機関: 1山梨医科大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.79 - P.82
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異常値とは,測定操作のミスやデータの転記ミスなどに起因し,データ解析の対象から外したほうがよいと思われるデータをいう.その検出法は,ヒストグラムなどでデータの全体的な分布や形状を観察し,異質性が疑われるような存在を確認することから始まる.ここでは,統計学的に異常値を検出するためのいくつかの方法について取り上げるが,それら方法で異常値とみなされた場合であっても,目的とする現象解析に関する本来の立場から,その原因を探求し明らかにすることが重要となる.すなわち,原因となる要因が特定されてはじめて,そのデータは異常値として除外できるが,統計学的検定結果や主観的判断だけから,安易に異常値と決めつけるような姿勢は避けるべきである.逆に言えば,疑わしい程度の状況であれば,むしろそのデータを含めて処理したほうが,目的とする現象の本来の姿を反映する解析結果が得られることも多い.
異常値とは,測定操作のミスやデータの転記ミスなどに起因し,データ解析の対象から外したほうがよいと思われるデータをいう.その検出法は,ヒストグラムなどでデータの全体的な分布や形状を観察し,異質性が疑われるような存在を確認することから始まる.ここでは,統計学的に異常値を検出するためのいくつかの方法について取り上げるが,それら方法で異常値とみなされた場合であっても,目的とする現象解析に関する本来の立場から,その原因を探求し明らかにすることが重要となる.すなわち,原因となる要因が特定されてはじめて,そのデータは異常値として除外できるが,統計学的検定結果や主観的判断だけから,安易に異常値と決めつけるような姿勢は避けるべきである.逆に言えば,疑わしい程度の状況であれば,むしろそのデータを含めて処理したほうが,目的とする現象の本来の姿を反映する解析結果が得られることも多い.
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