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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻1号

2002年01月発行

文献概要

トピックス

vanD型バンコマイシン耐性腸球菌

著者: 八木哲也1 荒川宜親1

所属機関: 1国立感染症研究所 細菌・血液製剤部

ページ範囲:P.89 - P.91

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はじめに
 腸球菌は腸管内の常在菌であり比較的病原性の低い菌であるが,健常人に対して尿路感染,菌血症や感染性心内膜炎の原因になる他,抵抗力の落ちた患者に対する院内感染菌として重要である.元来種々の抗菌剤に対して耐性だったが,1980年代後半より唯一有効であったバンコマイシンなどのグリコペプチド系抗生剤にも耐性を獲得するようになった.現在までに耐性を賦与する遺伝子群には6つの異なる型が報告されている.バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin Resistant Enterococci;VRE)が感染症を引き起こすと治療に有効な抗生剤がほとんどないこと,耐性遺伝子の型によって他の菌種に移る可能性があることなどから,こうした耐性菌の検出,および遺伝子型の解析は疫学上非常に重要であると考えられる.ここでは耐性遺伝子型の1つであるvanD遺伝子を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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