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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

コラム

多発性骨髄腫

著者: 浅井さとみ1

所属機関: 1東海大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.904 - P.904

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病態と意義
 多発性骨髄腫での染色体異常は約70%にみられ,トリソミー(3,5,9,15)やモノソミー(13,16)など染色体数の異常,転座・逆位・重複・欠失など構造異常以外に,遺伝子増幅の場であるHSR(homogene ous staining region)やDMS(double minute chromo some)の異常もある.主な構造異常として14q32転座や1q異常がある.14q32には免疫グロブリンIgH(Immunogloblin heavy chain)遺伝子が存在し,t(11;14)(q13;q32)では,11q13に細胞周期を制御する増殖関連因子cyclin D1をコードするBCL1/PRAD1遺伝子,t(14;18)(q32;q21)では18q21に存在するBCL2遺伝子,t(8;14)(q24;q32)では,8q24に存在するMYC遺伝子とそれぞれキメラ遺伝子を形成する.癌抑制遺伝子であるRB-1(retinoblastoma:RB)が存在する13q14の欠失(図)が約40%にみられ,予後不良である.Hypodiploidy(低二倍体)は,ベンスジョーンズ蛋白質(Bence Jones protein;BJP)型に主にみられ治療抵抗性の症例が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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