文献詳細
文献概要
増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 2.技術編—遺伝子検査を活用するための知識 2)増幅法
(1)PCR法とその変法
著者: 舩渡忠男1 小澤鹿子1 大川淳雄2
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科病態制御学講座分子診断学分野 2東北大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.935 - P.938
文献購入ページに移動ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain rea ction;PCR)法は遺伝子検査のうち最も頻用されている必須の遺伝子解析技術の1つである.PCR法は,特定の遺伝子のみをゲノムDNAあるいはcDNAより取り出し,アガロース上でバンドとしてあるいは発色させて検出することが可能な手段である.PCR法は,感染症の診断,遺伝性疾患,がんの診断(変異同定),法医学,遺伝子発現診断など病勢の把握,治療効果判定,環境スクリーニングなど多くの領域において日常的に使用されている.特に,微量(低コピー数)しか得られないサンプル,過去の保存検体においてその威力を発揮する.PCR法という単純な原理は,現在変法として多様なアプリケーションへと発展している.
最近では,PCR法の全自動システム(COBAS AMPLICORE)が確立され,感染症の病原検出に核酸同定検査として日常検査に導入されている.これは,PCR産物を標識プローブにより可視的に検出し,定量化したことにより可能となった.
掲載誌情報