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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

コラム

隣接遺伝子症候群

著者: 大島利夫1

所属機関: 1東海大学医学部附属病院臨床検査科

ページ範囲:P.943 - P.943

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 隣接遺伝子症候群は,常染色体の一部領域の欠失による疾患である.この隣接遺伝子症候群には,古典的な染色体異常として知られている5p15の欠失,5pモノソミー(ネコ泣き)症候群や,近年DNAプローブにより診断が比較的簡便になったプラダー-ウィリー(Prader-Willi)症候群,アンジェルマン(Angelman)症候群などが知られている.その染色体欠失部位の大きさは,FISH(fluoresaence in situ hybridization,蛍光組織内交雑)法で微細欠失が簡便に検出できるようになったため,高精度分染法により光学顕微鏡下で確認できるものから,DNAのレベルのごく狭い領域のものまで,いくつか報告されている.
 プラダー-ウィリー症候群は,15番染色体の15q11-q13部分の欠失または母親性片親性ダイソミーが原因である.発生頻度は,1万人ないし1万5千人に1人といわれている.臨床症状は,①新生児,乳児期の中枢性筋緊張低下,哺乳障害,②幼児期より発生する食欲の異常亢進と体幹部中心の肥満,③特徴的な顔貌,④性腺機能不全,⑤発達遅延,⑥過食,⑦不活動性,⑧短気,盗癖,虚偽癖などの異常行動,⑨低身長などの身体的特徴がみられる.知能IQの平均は60〜70である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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