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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 2.技術編—遺伝子検査を活用するための知識 3)分析法/解析法

(1)核酸プローブ・ハイブリダイゼーション法

著者: 行正信康1

所属機関: 1昭和大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.944 - P.947

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核酸の構造と相補性
 核酸(DNA)を対象とした初期の研究において,4種類の塩基,アデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)のモル比が,[A]=[T],[G]=[C]という事実が判明した.このことからAとTおよびGとCの間で相補的塩基対が形成されることが示唆された.James WatsonとFrancis H. C. Crickは,DNAの物理化学的な知見とX線回折の結果とから,DNAが二重らせん構造を形成する多量体であることを明らかにした.
 DNAが二本鎖構造であることは重要で,各塩基は二重らせんの内側にあり,糖鎖-リン酸骨格は外側になる.その結果,両鎖の塩基は接近する.そこで,二本鎖になるためには,片方の鎖が複環状構造のピリミジン塩基(A,G)の場合,相手方は単環状構造のプリン塩基(T,C)という形をとる.二重らせんを安定させているのは,AとTは2か所,GとCでは3か所で生じる水素結合による.この結合の組み合わせを核酸の相補性(complementation)と呼ぶ(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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