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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 2.技術編—遺伝子検査を活用するための知識 3)分析法/解析法

(10)RFLP,マイクロサテライト解析

著者: 堀井康司1

所属機関: 1慶應義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.986 - P.990

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DNA多型
 ヒトDNAを抽出し,制限酵素によって処理すると多数の断片を生じるが,その大きさは個体により多様である.これは同一の生物種またはその集団には異なる遺伝的性質が共存していることが主な原因であり一般にこれは多型(polymorphism)と呼ばれる.多様な断片を生じる原因として重要なものの1つは,塩基配列が繰り返す反復配列構造が個体によりに多様に存在していることによるものであり,このうち反復数が数十塩基ほどのものはミニサテライト型多型またはvariable number of tandem repeat(VNTR)型多型と呼ばれている.次に重要なものとして一塩基置換による変異により制限酵素切断部位の塩基配列が変化し,制限酵素により切断を受けたり,受けなかったりすることによって認識される多型が挙げられる.これは制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphism;RFLP)と呼ばれている.
 制限酵素処理より生じた多様な断片はアガロースで電気泳動を行うと,DNAの分子量によって分離することができる.なぜなら蛋白質をアガロース電気泳動すると主として表面荷電と分子量とのファクターが易動度を決定するが,DNAの場合表面荷電は相対的に均一であり,ほぼ分子量のファクターのみで易動度が決定され,いわゆる分子篩い効果で分離がなされるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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