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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

コラム

7q転座型急性白血病

著者: 浅井さとみ1

所属機関: 1東海大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.995 - P.995

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病態と意義
 7q35には,T細胞抗原受容体(T-cell receptor:TCR)遺伝子の1つTCRB(TCRβ)鎖遺伝子が存在し,同部位の染色体異常すなわち転座はT細胞性急性リンパ性白血病にみられる.7q35転座によってt(1;7)(p34;q35)でLCK,t(7;9)(q35;q32)でTAL2, t(7;19)(q35;p13)でLYL1,t(7;10)(q35;q24)でHOX11(図)とキメラ遺伝子が形成され,T細胞の分化の障害や癌化に関与している.TCRα鎖/δ鎖遺伝子が存在する14q11転座と合わせると,頻度は急性リンパ性白血病の約5%で,未熟T細胞型の表現型を示すが,B前駆細胞型を呈する例もある.予後は一般に不良である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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