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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 3.応用編—遺伝子検査を利用する 1)感染症

(8)淋病,クラミジア・トラコマチス

著者: 作間俊治1 田中正利2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会新小倉病院泌尿器科 2九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野

ページ範囲:P.1029 - P.1032

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はじめに
 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)感染症(淋病)と性器クラミジア・トラコマチス(Chlamydia tracho matis)感染症は最も頻度の高い性感染症(STD;sexually transmitted disease)である.ともに男性の尿道炎,女性の子宮頸管炎の病原体となる.男性の淋病(淋菌性尿道炎)はその特徴的な症状や尿道分泌物の鏡検で診断が可能で,遺伝子検査をするまでもないことが多いが,女性の淋病では顕微鏡検査で淋菌の検出が困難なことが多く,遺伝子検査の有用性が高い.性器クラミジア感染症では,クラミジアが通常の顕微鏡検査では検出できず,また培養も通常の検査室では不可能であるため,遺伝子検査が有用である.淋菌感染症と性器クラミジア感染症は合併することも多く,淋菌性尿道炎と診断した場合でも,クラミジア感染症の合併を否定するためにもクラミジアについての遺伝子検査が必要となる.表に各々の遺伝子検査の特徴を示す.
 本稿においては遺伝子検査が必要な状況について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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