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コラム
5q-
著者: 権藤和美1
所属機関: 1東海大学医学部附属病院臨床検査科
ページ範囲:P.1059 - P.1059
文献購入ページに移動 5q-は骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)で最も多くみられる染色体異常で,MDS全体の20〜30%に検出される.5q-を単独異常とする症例は5q-症候群と呼ばれ,①予後良好で安定した経過をとる,②大球性貧血を示す,③血小板数は正常もしくは増多し,巨核球生成異常(単核巨核球や巨大血小板)がみられる,④女性の高齢者に多い(男女比1:3)ことが特徴とされている.MDSの中ではRA(refractory anemia)と診断されることが多い.5q-に加えて他の異常を同時に持つ症例はこの概念から外れ,治療関連MDS/白血病に頻度が高く,予後不良である.5q-は中間部欠失(interstitial deletion)であり,欠失の程度により,5q13-5q31または5q13-5q33までの部分が欠失するtype Ⅰ,5q12-5q23または5q14-5q23までの部分が欠失するtype Ⅱ(図),5q23-5q32の部分が欠失するtype Ⅲに分類され,type Ⅰの欠失部分が最も大きく,全症例の90%がこのtypeに属する.
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