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文献概要
増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 3.応用編—遺伝子検査を利用する 3)遺伝性疾患
(2)糖尿病
著者: 北里博仁1 堀越桃子1 原一雄1 野田光彦2 門脇孝1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科内科学専攻糖尿病・代謝内科 2朝日生命糖尿病研究所
ページ範囲:P.1098 - P.1101
文献購入ページに移動1997年に実施された厚生省(現,厚生労働省)の糖尿病実態調査報告によれば,日本における糖尿病患者数はおよそ690万人と推定され,さらにはそれとほぼ同数の耐糖能異常患者が存在すると推定されている.さらにその数が年々増加傾向にある現在,糖尿病およびその合併症の治療に対する国民レベルでの社会的・経済的負担は多大なものとなってきている.これらを抑止するためにも病因を解明し,糖尿病発症前からの適切な治療選択を可能とする検査法を確立することは大変意義深い.
糖尿病は,現在「生活習慣病」と呼ばれる一方で,その発症に家系内集積性が高いこと,民族により発症率や有病率や病態に違いがあること,二卵性双生児に比して一卵性双生児でのより高い発症の一致率などから,遺伝因子の関与が示唆されている.そして,遺伝学的,分子生物学的手法の発達に伴い,その遺伝因子の一端が明かされつつある.
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