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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

コラム

8;21転座

著者: 田中由美子1

所属機関: 1東海大学医学部附属病院臨床検査科

ページ範囲:P.1131 - P.1131

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病態と意義
 t(8;21)(q22;q22)転座は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)でFAB分類M2の40%にみられる染色体異常である.8;21転座のM2症例は,予後良好で形態学的特徴としては,アウエル(Auer)小体,ペルオキシダーゼ強陽性の骨髄芽球,骨髄好酸球増加,均一なサーモンピンクの顆粒,粗大な細胞質小体や空胞などが見られる.8;21転座の結果,8番染色体(8q22)上のETOまたはMTG8(myeloid translocation gene on chromosome8)遺伝子と21番染色体(21q22)上のAML1遺伝子が融合する.MTG8-AML1遺伝子からキメラ転写因子に翻訳され,キメラ蛋白質がAML1に抑制される骨髄系細胞に特異的なプロモーターの活性化を抑制し,骨髄系分化を抑制することが白血化に重要な働きをする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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