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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

コラム

11q23転座

著者: 田中由美子1

所属機関: 1東海大学医学部附属病院臨床検査科

ページ範囲:P.1137 - P.1137

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病態と意義
 11q23転座は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML),急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL),悪性リンパ腫,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)に検出され,病型特異性に乏しい染色体異常である.11q23転座は,リンパ系と骨髄系の両細胞系統の形質(biphenotypic)であったり,経過中にリンパ系から単球系に変換する症例があることから,骨髄系とリンパ系の両方へ分化しうる未分化な造血幹細胞での白血化に関与していると考えられている.AMLにおける11q23転座は,t(9;11)(p22;q23)とそれ以外の11q23転座に分けられる.t(9;11)(p22;q23)(図)は,主に治療関連白血病で,エトポシド(VP-16)などの抗白血病剤治療後に比較的短期間で,前白血病期を経ずに単球系の細胞形質を示す急性白血病を発症する.ALLにおける11q23転座は,t(4;11)(q21;q23)が最も多く,1歳以下の乳幼児にみられる.4;11転座型白血病は,リンパ系・単球系の2系統の細胞形質を持ち,白血球増多,CD10陰性の特徴を有し,通常の化学療法で予後不良である.そのほか,t(6;11)(q27;q23),t(11;19)(q23;p13)が知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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