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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻10号

2002年09月発行

文献概要

増刊号 誰でもわかる遺伝子検査 Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 4.管理編

2)遺伝子検査における精度管理

著者: 宮地勇人1

所属機関: 1東海大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1156 - P.1160

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はじめに
 遺伝子検査は感染症,癌,遺伝性疾患の確定診断に直結する病因診断が可能である.したがって,正確な診断と適正な診療の遂行のため,遺伝子検査は精度と正確性とが強く求められる1〜3).遺伝子検査が広く普及し,診療上の重要性が増すにつれ,どの施設でも同様に高い精度の検査実施と適正利用の必要性が高まってきた4).感染症の遺伝子検査では,精度管理・精度保証につながる測定試薬のキット化,自動化や標準物質の開発が進んできた.一方,造血器腫瘍や遺伝性疾患の遺伝子検査の工程は,目下,ヒト細胞から用手法による核酸抽出と各施設独自に設定した増幅・検出法が一般的であり,安定した測定結果を得るためにはさまざまな課題がある.遺伝子検査の精度管理さらには精度保証の取り組みは,測定前,測定中および測定後の3つの作業段階で実施する必要性が指摘されている5).本稿では,遺伝子検査の各作業段階で考慮すべき精度管理について,核酸増幅法として最も利用されているポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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