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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻11号

2002年10月発行

文献概要

トピックス

硝子体可溶性蛋白

著者: 中西豊文1

所属機関: 1大阪医科大学病態検査学

ページ範囲:P.1268 - P.1271

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はじめに
 眼球機能を維持するための最も重要な組織構築はその透明性である.光が通過する角膜,前房,水晶体および硝子体には通常,血管が存在しないが,糖尿病性網膜症や加齢黄斑変性などの増殖性血管病変では,種々の箇所より新生血管が生じその結果,透明性が損なわれ失明する.近年,網膜血管増殖を促進あるいは抑制する可溶性蛋白群が硝子体中に存在することが報告され,糖尿病性網膜症などの網膜血管増殖性病変の病態解明や治療面から注目されている1〜5).硝子体中の高分子物質としては,コラーゲン,ヒアルロン酸および可溶性蛋白の存在が知られているが,可溶性蛋白についてはまだ十分に解析されていない.
 われわれの教室では,ゲル電気泳動あるいは多次元HPLC(high-performance liquide chromatography,高速液体クロマトグラフィー)-イオントラップ型タンデム質量分析(ITMSMS)法による糖尿病性網膜症患者の硝子体可溶画分中に発現した蛋白のカタログ作成と同時に硝子体特有蛋白および血管新生制御因子の検出・同定を試みている6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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