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技術講座 生化学
免疫グロブリン(G,A,M)の測定法
著者: 髙橋和男1 家入蒼生夫2
所属機関: 1獨協医科大学病院臨床検査部 2獨協医科大学臨床検査医学
ページ範囲:P.1289 - P.1297
文献購入ページに移動免疫グロブリン(immunoglobulin;lg)G,AおよびMの測定は,SRID法による用手法から免疫比朧法や免疫比濁法を利用した専用自動分析装置による全自動測定を経て,現在では汎用型(免疫反応以外の測定原理による項目を同時搭載可能)の自動分析装置による測定が主流となってきている.しかし,従来から一貫して変わらないのは,免疫反応(抗原抗体反応)による測定であり,目的lgの蛋白量を直接定量する方法は日常の臨床検査で行われていない.つまり,lgの免疫反応性に変化が生ずる特異(または異常)蛋白(M蛋白〔単一クローン性免疫グロブリン,monoclonal immunoglobulin〕やBJP〔Bence Jones protein,ベンスジョンズ蛋白〕,クリオグロブリン,パイログロブリンなど)は,正確な測定値を求めることができない.また,測定法(反応原理や抗lg抗体の種類)や用いる標準品により測定値に差が生じる.これらのことを理解したうえで測定法を選択することが大切である.
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