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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻12号

2002年11月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識

健常者に出現するIDLの臨床的意義

著者: 西尾博至1

所属機関: 1近畿大学医学部奈良病院総合診療科

ページ範囲:P.1336 - P.1339

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はじめに
 近年の疫学研究により,総コレステロール(total cholesterol;TC),中性脂肪(triglyceride;TG),LDL(low density lipoprotein)コレステロール,Lp(a)などは単独の動脈硬化危険因子として確立している1〜3).しかしながら高脂血症はさまざまな脂質代謝異常が原因と考えられ,その量的異常のみならず,リポ蛋白粒子の性質が変化した質的異常も注目されつつある.酸化LDLや小粒子高密度LDL(small dense LDL)を代表とする変性LDLは,血管内皮における分子レベルの研究で,動脈硬化巣の形成に密接に関連していることがわかってきた4).これとは別にカイロミクロン(chylomicron;CM)やVLDL(very low density lipoprotein)といったTG-richリポ蛋白の中間代謝物のレムナントリポ蛋白も変性LDLと同様,動脈硬化の発生・進展に強く関与し,両者はともに動脈硬化惹起性リポ蛋白と呼ばれている.表題のIDL(intermediate density lipoprotein)はVLDLからLDLへと代謝される課程での中間代謝物であり,前述のVLDLレムナントと同一である.本稿ではIDLの代謝,測定法と健常者における臨床的意義について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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