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EGCg(緑茶力テキン類)のHTLV-1増殖抑制
著者: 吉永光裕1 山元志奈子1 園田純一郎2 屋敷伸治2 園田俊郎2
所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院周産母子センター 2鹿児鳥大学医学部ウイルス学講座
ページ範囲:P.1357 - P.1358
文献購入ページに移動HTLV-1(human T-cell lymphotropic virus type1)が原因である成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia;ATL)について,その発症機序が明らかでなく,根治療法がまだ確立していない現状では,HTLV-1による感染の予防対策が最も有効な手段である.実際,鹿児島や沖縄などのendemic areaでは断乳や短期授乳の母乳コントロールにより,HTLV-1母児感染はほぼ克服されている.したがって,今後は既に感染しているキャリア妊婦の発症予防対策が重要な課題である.
ATLの発症は,HTLV-1がヒトT細胞に感染し,この感染T細胞が急激なクローン性の増殖を起こすことであり,HTLV-1のプロウイルス量の増殖を抑制することがATLの発症予防につながると予想される.園田らは,緑茶ポリフェノール成分のエピガロカテキンガレート(epigallocatechin-gallate;EGCg)の癌細胞などに対する増殖抑制作用に注目し,HTLV-1感染T細胞のアポトーシスを誘導することを明らかにした.
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