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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の表紙

周期性同期性放電

著者: 小口由美1 蓜島皆子1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.1447 - P.1447

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解説
 症例は72歳,女性.脳波には陽・陰・陽の3相から成る高振幅鋭波である周期性同期性放電(periodic synchronous discharge;PSD)を認めた.主訴は意識障害,不随意運動で,既往歴は1947年に子宮外妊娠手術,1997年に胆石手術があり,頭部手術歴および角膜移植歴はない.家族歴には類似の症状の者はない.現病歴は2001年9月18日,頭痛,気分が重い,たまに物忘れをすることを主訴に当院精神神経科を受診.病的な症状ではないと診断された.その後同年10月5目に左半身のしびれと頭痛で当院脳外科を受診,頭部CTおよびMRIで異常なく,10月19日より脳血管性パーキンソン(Parkinson)症候群の診断で投薬を開始した.この間ADL(activities of dairy living,日常生活動作)が急速に低下して車椅子移動となり,10月9日を最後に日記記載の習慣がとだえ,次いで“天井にナメクジが這っている”などの幻覚やつじつまの合わない行動が発現するようになった.10月24日,意識障害と四肢の不随意運動が出現したため,11月12日,当院神経内科に入院となった.11月16日の脳波でははっきりとしたPSDは認められなかったが,11月22日の脳波ではPSDを認めた.また,ミオクローヌスも出現したためクロイツフェルト-ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease;CJD)疑いと診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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