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白血球上のGPIアンカー型蛋白質と疾患
著者: 日塔武彰1 仙道富士郎2
所属機関: 1山形大学医学部免疫学・寄生虫学講座 2山形大学
ページ範囲:P.161 - P.163
文献購入ページに移動グリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinositol;GPI)アンカー蛋白質は蛋白質のC末端に糖脂質の一種であるGPIアンカーが結合した複合蛋白質であり,多くの場合細胞表面に存在している.GPIアンカーは蛋白質のC末端に結合しており,リン酸化されたエタノールアミン,オリゴ糖,ホスファチジルイノシトールが共有結合してできている(図).GPIアンカー蛋白質はホスファチジルイノシトールの脂質部分で膜に結合(アンカリング)しており,ちょうど糸(GPIアンカー)で地面(細胞膜)にくくりつけられた風船(蛋白質)にたとえることができよう(図).GPIアンカーの蛋白質本体への付加は糖鎖付加と並ぶ翻訳後修飾の1つであり,蛋白質のどのアミノ酸残基にGPIが付加されるかはある一定の規則によって決まっている.
哺乳動物のGPIアンカー蛋白質には,酵素,受容体,免疫細胞における接着をはじめとした機能を補助する役割を持つ分子など,様々なものがある(表)が,ここでは白血球に発現しているGPIアンカー型蛋白質の中で特に病態と関連が深いものや病気の診断に用いられ得ると思われるものを中心に紹介する.
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