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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻3号

2002年03月発行

文献概要

トピックス

α2マクログロブリン欠乏症とその背景

著者: 狩野有作1

所属機関: 1北里大学医学部臨床検査診断学

ページ範囲:P.311 - P.313

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はじめに
 生体では血液凝固,線溶,炎症反応などの過程で,多くの蛋白分解酵素(protease)が関与している.それらの反応は阻害因子である蛋白分解酵素阻害蛋白(protease inhibitor)により,制御され平衡が保たれている.
 α2マクログロブリン(α2 macroglobulin;α2M)は血中に最も多く存在するprotease inhibitorで,単球・マクロファージ系の細胞などで産生される分子量720,000の糖蛋白である.α2Mは主要なprotease inhibitorとしての機能の他に,免疫抑制作用1)やインターロイキン6(IL-6)2)および成長ホルモン3)の輸送蛋白(carrier protein)としての生物学的作用がある.さらに,癌細胞の浸潤・転移を抑制する機序も報告されている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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