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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻5号

2002年05月発行

文献概要

検査データを考える

血清マグネシウムの異常

著者: 大島哲也1

所属機関: 1広島大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.485 - P.487

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全身マグネシウム代謝
 マグネシウム(Mg)は生体内でカルシウム(Ca),ナトリウム(Na),カリウム(K)に次いで多い陽イオンである.Mgは多くの化学反応の補酵素として働き,他の陽イオン輸送にも関与している.そのためMg代謝の異常は多くの細胞機能や生体機能の調節に障害をもたらす重要な陽イオンである.
 成人では生体内にMgは20〜30g存在する.約50%が骨にMg3(PO42として,残りの50%は筋肉や他の軟部組織に分布する.血液中には1%しか存在しない(図1).そのため全身のMgバランス異常(過剰もしくは欠乏)があっても必ずしも血清Mg濃度に反映されるとは限らない.そのため血清Mg濃度より,むしろ(1)筋肉や血球細胞を用いて細胞内Mg濃度を測定する1)か,(2)Mg点滴静注後の24時間尿中Mg排泄量測定よりMg停滞率を評価するほうが,Mgバランスを反映する2).しかし,これらの検査は複雑で時間がかかるので日常臨床のルーチン検査としては不適当である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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