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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻5号

2002年05月発行

文献概要

トピックス

本邦におけるアミラーゼバリアント

著者: 星野忠1 小嶋建志2 中村利弘2

所属機関: 1日本大学医学部臨床検査医学教室 2(株)大塚東京アッセイ研究所

ページ範囲:P.497 - P.500

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はじめに
 ヒトのアミラーゼ(amylase;AMY)は主に膵臓(P)と唾液腺(S)に由来するが,その他に肺,肝臓,卵管などいくつかの臓器にも存在することが知られている1).また,AMYには2種類のアイソザイムがあり,由来別にP型AMY(pancreatic amylase;P-AMY),S型AMY(salivary type amylase;S-AMY)と呼ばれている.
 AMY活性測定の歴史は他の酵素に比べ古く,前世紀初めにヨウ素デンプン反応による測定法が確立して以来,急性膵炎の診断に欠かすことのできない検査として現在も使用されている.しかし,膵疾患以外の多くの疾患でAMY活性の上昇が認められることから,活性測定と同時にアイソザイム測定を行うことが一般化してきている.AMYのアイソザイム測定法には,電気的な易動度の差を利用してP型AMYとS型AMYを分離する電気泳動法,小麦胚芽由来のAMYインヒビターがP型AMYよりもS型AMY活性をより特異的に阻害することを利用したインヒビター法2)とS型AMY活性を阻害するモノクローナル抗体を用いてP型AMY活性を測定するモノクローナル抗体法3)などがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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