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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻6号

2002年06月発行

文献概要

けんさアラカルト

ミャンマー国・ハンセン病対策基礎保健サービス改善プロジェクト—その1

著者: 鈴木慶治1

所属機関: 1国立療養所多磨全生園研究検査科

ページ範囲:P.518 - P.518

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 1996年の「らい予防法」廃止,「謝罪要求と違憲国家賠償請求」提訴,2001年5月11日の熊本地裁判決,同23日の小泉首相の控訴断念声明と続き,ハンセン(Hansen)病患者さんに対する人権侵害の歴史が,新聞・テレビなどのマスコミで報道され関心を持たれた方も多いと思われる.日本全国に13か所の国立療養所と2か所の私立療養所があり,約4,400人の元患者さんが生活している.現在,療養所入所者は高齢化し,多磨全生園所入所者の平均年齢は74歳を超え,100歳になる元患者さんもいる.新患者さん発生数は日本全国でここ数年10名以下,新患者さんの年齢も半数以上が60歳以上である.ハンセン病は日本においては過去の病気となりつつある.
 世界保健機関(WHO)は1991年5月の第44回世界保健総会で「2000年末には,公衆衛生問題としてのハンセン病を制圧する」決議を行った.ハンセン病患者を人口1万人に対し1人以下のレベルまで減少させるという目標を設定,これが達成されれば,ハンセン病はもはや公衆衛生上の問題ではなくなるとした.しかし,2000年1月までで24か国が目標未達成であり,ミャンマー国でも2003年末までに,このWHOの定めた基準の達成を目指してハンセン病制圧キャンペーンを展開している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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