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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻6号

2002年06月発行

文献概要

見開き講座 分子細胞遺伝学への道しるべ・18

染色体10.染色体異常の臨床(2)性染色体異常症候群

著者: 田村高志1

所属機関: 1杏林大学保健学部臨床遺伝学教室

ページ範囲:P.538 - P.539

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性染色体と性分化
 染色体には常染色体(autosome)のほかに性に関係するX染色体とY染色体の2本の性染色体(sex chromosome)がある.女性はXX,男性はXYの組み合わせの構成となっている.
 性決定にはY染色体上の睾丸決定因子(testisdetermining factor;TDF)が関与している.このTDFとして1990年SRY(sex-determiningregion of Y chromosome)遺伝子がY染色体短腕末端の偽常染色体領域(pseudoautosomalregion;PAR)の近位側にマッピングされた(性決定・分化に関与するいくつかの遺伝子が常染色体からもクローニングされている).Y染色体を持つ個体はSRY遺伝子産物が未分化性腺を精巣へと誘導し,精巣のセルトリ(Sertoli)細胞からは抗ミューラー(Müller)管ホルモンが分泌されミューラー管が退縮する.一方,ライディッヒ(Leidig)細胞からはテストステロンが分泌されウォルフ(Wolff)管が発達して男性型へと分化する.Y染色体を持たない個体では,そのままミューラー管が発達して女性型へと分化する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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