icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻6号

2002年06月発行

文献概要

検査データを考える

高尿酸血症と痛風

著者: 佐藤尚武1

所属機関: 1順天堂大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.541 - P.546

文献購入ページに移動
尿酸とは
 炭素と窒素による環状構造2つから成る,プリン環と呼ばれる構造がある.尿酸はプリン環の3つの炭素原子が酸化した化合物(図1-a)で,2,6,8-トリオキシプリン(2,6,8-trioxpurine)とも呼ばれる.プリンは,糖やリン酸とともに核酸を構成する塩基の一種である.核酸を構成する塩基にはプリン塩基と,六角環状構造を持つピリミジン塩基とがある.プリン塩基としてはアデニンとグアニンとの2種が,ピリミジン塩基にはシトシン,チミン,ウラシルがある.尿酸は分解されてアラントインになるが,霊長類では尿酸を分解するウリカーゼが欠損しているので,尿酸がプリン体の最終代謝産物(図2)となる.
 尿酸は,ナトリウムイオンが多い血液中や細胞外液中では98%が陰イオン化し,尿酸ナトリウム(図1-b)として存在している.この陰イオン化する性質のため,尿酸は弱酸性を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら