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文献概要
病気のはなし
細菌性髄膜炎
著者: 中村明1
所属機関: 1千葉県こども病院感染症科,第1内科
ページ範囲:P.620 - P.624
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ペニシリンおよび多剤耐性肺炎球菌,そして耐性肺炎球菌と同様にPBP(penicillin binding proteins,ペニシリン結合蛋白)の変異に基づくインフルエンザ菌のβラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性菌(β-lactamase negative ampicillin resistant;BLNAR)の増加が大きな問題である.ペニシリン系のみならず,髄膜炎に頻用されるセフェム系に対しても耐性化が進行しているからである。髄膜炎のように抗菌薬の移行に問題のある感染症では,わずかなMIC(minimum inhibitory concentration,最小発育阻止濃度)の増加であってもその予後に対する影響は大きい.将来的には,耐性肺炎球菌に対しては塩酸バンコマイシンを,高度のBLNARに対してはクロラムフェニコールの再登場も視野に入れる必要があろう.
ペニシリンおよび多剤耐性肺炎球菌,そして耐性肺炎球菌と同様にPBP(penicillin binding proteins,ペニシリン結合蛋白)の変異に基づくインフルエンザ菌のβラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性菌(β-lactamase negative ampicillin resistant;BLNAR)の増加が大きな問題である.ペニシリン系のみならず,髄膜炎に頻用されるセフェム系に対しても耐性化が進行しているからである。髄膜炎のように抗菌薬の移行に問題のある感染症では,わずかなMIC(minimum inhibitory concentration,最小発育阻止濃度)の増加であってもその予後に対する影響は大きい.将来的には,耐性肺炎球菌に対しては塩酸バンコマイシンを,高度のBLNARに対してはクロラムフェニコールの再登場も視野に入れる必要があろう.
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