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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻7号

2002年07月発行

文献概要

技術講座 病理

免疫染色における抗原賦活法

著者: 濱川真治1 清水誠一郎1

所属機関: 1公立昭和病院病理科

ページ範囲:P.625 - P.632

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新しい知見
 免疫染色の標準化:免疫染色は,免疫抗体法という名称で保険収載され,300点(3,000円)が病理組織学的検査に加算される.用いる一次抗体や染色キットなどは原則として医薬品として承認されたものであることを要するとされている.2001年6月,免疫抗体法とは別にHER2/neu蛋白検査(現在では950点)が保険収載され,現在はHercep Test(DAKO社)などがそれに当たる.Hercep Testはホルマリンの固定時間,抗原賦活方法や一次抗体,染色システム,判定基準に至るまですべて標準化された乳癌組織のHER2遺伝子産物量を半定量する検査である.またエストロゲンレセプター検査においても標準化された免疫染色法(Ventana社,MBL社,DAKO社)によってEIA(enzyme immunoassay)法に取って代わる方法として保険請求(950点)が可能となった.今後さらに診断・治療に直結した免疫染色の応用範囲がますます拡がり,抗原賦活や染色法,固定法を含めた標準化が進められていくものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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