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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻7号

2002年07月発行

文献概要

Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた 異常細胞の見かた・4 巨核球系の異常

形態異常

著者: 大畑雅彦1

所属機関: 1静岡赤十字病院検査部第2課

ページ範囲:P.656 - P.662

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形態学的所見(図1-a,b)
 他院にて特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura;ITP)と診断され脾摘を受けるが無効であった17歳の男性.小学校ごろより聴力障害(感音性難聴)があった.
 末梢血には赤血球と同等サイズ以上のいわゆる巨大血小板がみられ,成熟好中球にはDöhle様封入体が認められた.骨髄像では顆粒球系細胞(図1-a)に,末梢血と同様の封入体が存在している.封入体の位置は細胞の辺縁に位置することが多く,形状や明瞭性はさまざまであった.図1-bには巨核球を示した.しかし,通常一般的に見る巨核球に比し,細胞質の顆粒の分布状態から顆粒産生巨核球まで成熟しているのにもかかわらず,“好塩基性の斑(マダラ)”が存在する.筆者はこの模様を“トラ斑模様”と呼んでいる1).このように顆粒球系細胞と巨核球に形態学的異常が観察された症例が今回のテーマである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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