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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻7号

2002年07月発行

文献概要

けんさアラカルト

インフルエンザの迅速診断キット

著者: 武内可尚1

所属機関: 1川崎市立川崎病院

ページ範囲:P.663 - P.663

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 インフルエンザを巡っては,この数年間に大きな発見や実用的な進歩がなされた.インフルエンザの迅速診断キットの普及もその1つである.外来に受診する急性感染症の大半は「かぜ」である.かぜの病原因子は90%がウイルスである.かぜに関与するウイルスは亜型も含めれば200種類にも上る.しかし,これらのありふれた急性ウイルス感染症には,特異的な治療薬も存在しなかったので,病原診断することには長い間ほとんど無関心であった.
 ところが,抗原の精製と特異的モノクローナル抗体の作製技術の発展により,蛍光抗体法による迅速診断の時期を経て,ラテックス凝集反応や酵素免疫法(enzyme immunoassay;EIA)による簡便な迅速診断キットが登場してきた.そして,わが国ではそれらに次々と保険が適用されるようになって,急性ウイルス感染症が日常的に臨床現場で病原診断できるようになってきた.それまで臓器別あるいは器官別の診断名を付けて事足れりとしていたのが,何々ウイルス性急性胃腸炎とか,何々ウイルスによる細気管支炎といった具合に病原因子を付けて考えられるようになった.大変な進歩である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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