文献詳細
今月の表紙
文献概要
【解説】図1は71歳女性の乳腺超音波像である.やや幅広な辺縁不整な腫瘍が認められる.内部エコーは不整で一部輝度の強い石灰化を思わせる像も認められる.後方エコーは不変である.本症例は組織学的に乳頭腺管癌であった.乳頭腺管癌は他の乳癌に比して石灰化を認めることが比較的多いことと,後方エコーは腫瘍の細胞成分が多ければ増強し,線維成分が多ければ減衰する.乳管に沿って拡がることが多いので,横に拡がる傾向があり縦横比が小さいことが多い.
図2は63歳女性の乳腺超音波像である.腫瘍辺縁は不整で内エコーの減弱が強く後方エコーの減衰も認められる.また,腫瘍境界部に高エコー像を認め,腫瘍の浸潤性発育が認められる.本症例は組織学的に硬癌であった.硬癌は浸潤性に発育し,線維増生を伴って周囲組織を引き込むような形で発育していく.そのために,超音波像では内部エコーの吸収減衰が大きく,低エコーとして描出され後方エコーの減衰ないしは欠損像として認められることが多い.
図2は63歳女性の乳腺超音波像である.腫瘍辺縁は不整で内エコーの減弱が強く後方エコーの減衰も認められる.また,腫瘍境界部に高エコー像を認め,腫瘍の浸潤性発育が認められる.本症例は組織学的に硬癌であった.硬癌は浸潤性に発育し,線維増生を伴って周囲組織を引き込むような形で発育していく.そのために,超音波像では内部エコーの吸収減衰が大きく,低エコーとして描出され後方エコーの減衰ないしは欠損像として認められることが多い.
掲載誌情報