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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻8号

2002年08月発行

文献概要

オピニオン

これからの臨床検査技師

著者: 永江学1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院超音波センター

ページ範囲:P.722 - P.722

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 数年来の,経済不況は医療現場でも環境の変化を呼んでいる.特に検体系部門ではそれが顕著であり,大学病院をはじめとして検査部内で外注,ブランチラボ,FMS導入が進められている現状をみたとき,臨床検査の院内での重要性よりも,経済性優先となってきていることがわかる.法整備の不十分さもあるが,臨床検査の院内での重要性を,強く押し進め広めていかなかったことも一因であるように思われる.ひとつには機器の開発普及により,人間が行うより正確にしかも多くの検体を処理できるようになれば当然人間は機械に使われるようになってしまうし,経済性を考えた場合には当然そのようになるであろう.もしこのことに甘んじていれば,いずれ無資格者でもよいのではないかとなってしまう気がする.そのためには,専門職としての研鑽はもちろんのこと,臨床医(依頼医師)に対して積極的にアプローチして,患者情報を得,臨床検査学の立場から,患者さんについて臨床医と意見交換ができるだけの実力を付けていれば,専門職として認められるだけではなく,院内での検査の重要性も理解してもらえるのではないかと考える.
 一方,生理検査は医師との共同作業がなければ検査を行えないので,自然に医師との交流が行える環境にある.しかし,そこで仕事のみを考えていると,計測機器の一部として働いていることになってしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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