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文献詳細

雑誌文献

検査と技術30巻9号

2002年09月発行

文献概要

トピックス

ビオチン関連物質

著者: 藤田之彦1 熊坂一成2 福井徹3

所属機関: 1日本大学医学部小児科 2日本大学医学部臨床検査医学 3(財)東京保健会病体生理研究所

ページ範囲:P.843 - P.846

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■ビオチンとは
 Boasらは動物実験により体重減少,皮膚炎,脱毛,やがて死にいたる卵白障害を発見しそれらを予防する因子が食物中に含まれることを示した1).1940年Gyorgyら2)は卵白に含まれる蛋白(アビジン)がビオチンと強固に結合することによりビオチンの消化管からの吸収を引き起こすことが卵白障害の本体であることを証明し,ビオチンはビタミンとして認識されるようになった.ビオチン(vitamin H,coenzyme R)は水溶性ビタミンの一種であり動物や植物に広く存在するが,哺乳類はビオチンの生合成ができないため,体外から摂取することになる.ビオチンの体内動態の特徴は,①食物中のビオチンの遊離と腸管吸収,②血中ビオチンの細胞内移行,③ビオチン酵素と細胞内動態,④ビオチンの再利用と排泄,に大別される3).ビオチンの体内動態を図1に示した3).ビオチンの吸収から排泄までの過程で中心的な役割を果たす酵素はビオチニダーゼとホロカルボキシラーゼ合成酵素である.ビオチニダーゼはビオシチン(biotinyllysin)やビオチニールペプチドからビオチンを遊離し,細胞への輸送蛋白として働く.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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