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ミニ移植
著者: 和田尚1 中山睿一2
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科病態制御外科学 2岡山大学大学院医歯学総合研究科免疫学
ページ範囲:P.83 - P.85
文献購入ページに移動従来,悪性リンパ系腫瘍に対する治療法として,化学療法や全身放射線照射が用いられてきた.これらの治療では,結果として骨髄が破壊されるため,ヒトからヒト(同種)への造血幹細胞移植(骨髄細胞移植を含む)を行い対処してきた.ところが,移植した造血幹細胞に抗腫瘍効果が認められたことから,逆に造血幹細胞移植のために免疫抑制剤を使うようになったのである.この場合に,移植した造血幹細胞の生着に必要な前処置としての免疫抑制には,宿主の骨髄機能を徹底的に根絶する必要がないこともわかった.このような前処置を,従来の骨髄破壊的(myeloablative)前処置に対して,骨髄非破壊的(non-myeloablative)前処置と呼んでいる.骨髄非破壊的前処置を用いて移植した同種造血幹細胞により抗腫瘍効果を期待する治療法を総括的に“ミニ移植”と呼んでいる.
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