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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻10号

2003年09月発行

文献概要

増刊号 包括医療と臨床検査 第1章 総論―包括医療とは 2.包括医療と臨床検査

4)包括医療への検査室の対応

著者: 髙橋伯夫12

所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学講座 2関西医科大学附属病院循環器科

ページ範囲:P.912 - P.915

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 はじめに

 わが国で包括医療の話題といえば,特定機能病院に適応されたDPC(Diagnosis Procedure Com-bination)が思い起こされるが,既にさまざまな分野で包括化はなされており,なかでも臨床検査項目の包括化(マルメ)はその先駆けであったともいえる.医療費の高騰を抑制すべく躍起になった厚生労働省が打ち出した策である.“薬漬け,検査漬け”という言葉がマスメディアで流れ,まるで「日本の医療が悪い」と印象づけるような風評が流れたが,現実には,世界一の長寿を誇る日本人の健康は単に遺伝と環境要因だけではなく木目の細かい,しかも安価な医療によってもたらされたものである.“……漬け”があったとしてもごく限られた部分であろう.

 いずれにしても,現在の国民医療費は先進国のうちでは決して多いほうではないが,急速な高齢化により医療費が高騰し,他方では少子化によって保健医療費を賄う能力が低下することを考えれば医療費の抑制策を前倒しで進めるべきとの結論に至るのは至極当然であり,その目玉となるのが包括医療である.現在のDPCは入院医療で限定された項目において実施されているが,将来は外来患者,手術などにも適応されるであろう.したがって,包括医療に対する検査室での対策は当面と究極的な方針の両面から検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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