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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻10号

2003年09月発行

文献概要

増刊号 包括医療と臨床検査 第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査

2.気管支喘息

著者: 茆原順一1 植木重治1

所属機関: 1秋田大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.978 - P.981

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 はじめに

 以前,気管支喘息の概念は①可逆性の気道閉塞,②気道の反応性亢進という二点が中心であった.しかし,安定期においても気道上皮の炎症が観察されることや,Th(helper T cell,ヘルパーT細胞)1/Th2リンパ球の存在,気道リモデリングが気道過敏性の発現に関与することなどが明らかになってきた.これらの研究結果を受けて,最近の定義では気道の慢性炎症が強調されている(表1).現在,気管支喘息の罹患率は増加傾向にあり,小児の6%程度,成人では3%程度と考えられている.気管支喘息診断にたどり着くうえで最も重要なのは,丁寧な問診と診察であり,場合によっては重症度や病型まで診断ができるので包括医療において重要性を増すと考えられる.患者は発作性の呼吸困難,喘鳴,息苦しさ,咳発作を訴え,特に夜間・早朝に出現しやすく,起座呼吸を呈する.さまざまな間隔の無症状期をはさんで発作が出現し,しばしば誘因(気道感染,アレルゲンや刺激臭への曝露,薬剤,精神・肉体的ストレス,天候,アルコール,月経など)が存在する.初診時の問診は特に重要なので,喘息症状用の問診票を作っておき,あらかじめ患者に記入しておいてもらうことも1つの方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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