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増刊号 包括医療と臨床検査 第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
8.急性心筋梗塞
著者: 原政英1 犀川哲典2
所属機関: 1大分医科大学生体分子構造機能制御講座(内科学第一講座) 2大分医科大学循環病態制御講座(臨床検査医学講座)
ページ範囲:P.1006 - P.1010
文献購入ページに移動近年,わが国においても食生活の欧米化に伴い虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患による死亡率が急速に増加している.急性心筋梗塞は不安定狭心症・心臓突然死と合わせて急性冠症候群として循環器救急医療の重要な対象疾患である.これらの胸痛患者の来院に際しては,速やかな診断とリスク層別化による適切な初期治療方針の決定が求められる.
昨今,包括医療の導入により日常診療もこれまでのいわゆる「出来高方式」の診療体系からの見直しを余儀なくされている.すなわち入院期間の短縮,検査項目・回数の削減,高額な治療薬の他剤への変更などが行われることが予想される.しかしながら,診療上合目的である限り,臨床検査の必要性は従来となんら変わるところはないと考えられる.本稿ではこのような現状をふまえて急性心筋梗塞に対する臨床検査の進めかたについて考察してみた.
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