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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻10号

2003年09月発行

文献概要

増刊号 包括医療と臨床検査 第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査

28.原発性ネフローゼ症候群

著者: 土井俊夫1

所属機関: 1徳島大学医学部病態情報医学講座病態情報診断学分野

ページ範囲:P.1115 - P.1117

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 はじめに

 ネフローゼ症候群はむくみで気づかれることがもちろん最も多いが,むくみを伴わないときもあり注意を要する.糸球体病変のため大量の血漿蛋白が濾過されて尿中に排泄される病態で,次の診断基準に基づく.①1日3.5g以上の持続性蛋白尿,②低蛋白血症(6.0g/dl以下)または低アルブミン血症(3.0g/dl以下),③高コレステロール血症(250mg/dl以上),④浮腫の4点である.このうち①蛋白尿および,②低蛋白血症は必須条件である.

 ネフローゼ症候群の病態像は図に示すように,大量の蛋白尿の漏出による高度の低蛋白血症と,これに伴って出現する浮腫,高脂血症,血液凝固能異常などである.このネフローゼ症候群は後に述べるようないろいろな組織病変を示し,各組織病変により全く予後,治療法は異なる.したがって,その基礎知識を有することは病態解析,治療法決定には必須である.

 ネフローゼ症候群を来す原因疾患を表に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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