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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻10号

2003年09月発行

文献概要

増刊号 包括医療と臨床検査 第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査

34.悪性リンパ腫

著者: 上平憲1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科検査医学部門

ページ範囲:P.1144 - P.1147

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 はじめに

 本年4月から7月にかけて特定機能病院では,日本版DRG/PPS方式(Diagnosis Related Group/Prospective Payment System)といわれるDPC(Diagnosis Procedure Combination)診療報酬支払いシステムが始まる.

 保険制度がいかように変化しようが,医療(ここでは悪性リンパ腫)における臨床検査の役割・評価が一定していれば出来高払いでも定額払いでも臨床検査の実務のスタンスが変わるはずがない.しかし,現実にはわれわれ自身が,個々の臨床検査の医療に対する貢献度や有用性・価値の評価を具体的に示せないためにそのことに反論できないことも現実である.

 従来,臨床検査の有用性や価値は,diagnostic validityとして感度・特異度・予測値・効率性などの指標で論じられてきたが,患者側から考えれば誰しも病気にならないか不幸にして病気になってしまえば,原因の如何にかかわらず,また病態の如何にかかわらずただ最終的に治ればよいはずである.すなわち,アウトカムが問題であり,最優先されるべきであろう.期待されるアウトカムとは,患者にとっては満足度(治癒),病院にとっては在院日数の短縮(低コスト)である.

 DPC診療下では両者にとってこのようなアウトカムに貢献できる臨床検査が求められていることを意味している.したがって,病気の原因や診断,病態をむやみやたらに過剰なまでの精密性を追求することなく,治療に直結するすなわちアウトカムに直結する臨床検査が今後は「価値ある検査」となる.すなわち,therapeuticsとdiagnosticsとの統合に貢献する検査ともいえよう.悪性リンパ腫の臨床検査では,特にこのマインドが必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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